東京農工大学科学博物館

東京都小金井市中町2-24-16
http://web.tuat.ac.jp/~museum/index.html

 東京農工大学は農学部と工学部があり、東京農工大学科学博物館の本館は工学部のある小金井キャンパス、そして農学部のある府中キャンパスに分館があります。
 東京農工大学の工学部の歴史は、1899年の東京蚕業講習所の設立に始まり、1914年に東京高等蚕糸学校と改称、1944年に東京繊維専門学校となり、1949年に東京農工大学の繊維学部、そして養蚕農家の衰退から1962年に工学部に改組とのことです。そして東京農工大学科学博物館の建物は旧・東京繊維専門学校本館を利用したもので、1977年に工学部附属繊維博物館としてスタートし、2008年に東京農工大学科学博物館に名称が変更されたとのことです。最寄駅のJR東小金井駅から徒歩10分ほどの地にあり見学して、校舎をそのまま利用したような外観、平面配置にその歴史から「納得・・」となりました。
 繊維機械展示室で館の方に自動織機を操作していただき、説明の中で横糸を通すのにウォータージェットを用いた織機、エアジェット(ウォータージェットでは合成繊維に適用が限定されるため)を用いた織機を日産自動車が開発・製造し、それらの技術が豊田織機に移転されたことを知りました。トヨタ産業技術記念館でそれらの自動織機を見たのですが、「日産自動車の技術だったのか・・」です。機械工学を学ぶ学生さんや技術史に関心のある方にとって素晴らしい展示が並んでいます。
 小金井キャンパスにはスマートモビリティ研究拠点があることを知りました。
 東京農工大学科学博物館の分館では農学部のルーツとなる貴重な教材コレクションや学術資料を展示している「近代農学資料展示室」と明治時代からの犂を中心とした、畜力農機具に関する資料を展示している「近代農機具展示室」があるとのことです。両展示室とも学園祭期間中に開館とのことで、府中キャンパスには東京農工大学農学部本館(1934年竣工、2000年に登録有形文化財(建造物))もあることから、府中キャンパスの学園祭(2016年は11月11〜13日)に行きたくなりました。

 (2016年9月15日)


ニッサン自動繰糸機HR-2型(製糸、日産自動車、1974年)

ニッサンジェットルーム・ウォータタイプLW41型(ジェット織機、日産自動車、1968年)の実演

学んでみよう天然繊維と人工繊維

計量装置など

絹関連資料

学史展示室

遠藤章特別栄誉教授顕彰記念室

 実演展示室では、洗った羊毛から綿をつくる作業を見せていただきました。この後に糸をつくっていくとのことです。技術の伝承という面で取り組んでいる方たちの姿に嬉しくなりました。


■ スマートモビリティ研究拠点

【リンク】