Printer Scanner Facsimile

PIXUS MP790 (CANON) 

 

 「1+1が2ではなく、3になる」という事例がプリンタとスキャナの一体化でコピー機能を実現させたデジタル複合機。さらにファクシミリ機能とADFを加えたものは、小さなオフィスに必要な何台もの機械の役割をそれ1台で実現してくれます。
 本機は祖先となるMultiPASS C70を使っていて「こうだったら・・」と願っていたものが全て実現されたものです。製造終了となってしばらく後継機登場の声が聞こえなかったのですが、やっと2006年3月に後継機となるMP830*発売のアナウンスがありました。

 

 MultiPASS C70で我慢を強いられていたカラー原稿のスキャンの遅さが、本機ではUSB 2.0 HiSpeedのI/F が採用されたことから大幅に改善されました。また、読み取り部がCCDのため、ブック原稿の綴じ込み部のスキャン品質も向上しました。カラー原稿のスキャン速度はC70比で圧倒的に高速となり、「もっと早く導入すべきだった」です。カセットを使用することで背面を壁に近づけて設置でき、本体寸法もC70に比して奥行が短くなったことから、設置性も向上しました。なお、C70より機能増で操作ボタンが増え、テンキーが小さくなったことから、手での操作性の面では若干、低下したように思います。
 本機はそれまでのCANON、また、HPやBrotherの複合機の事務機然としたイメージを極力排除するようにデザインされたことが読み取れます。排紙部分のカバーが印刷時にカパッと開くギミックは楽しくもあります。また、排紙部とともに給紙部、ADFの原稿挿入部にもカバーがついたこと、デザイン上ばかりでなく、装置内に埃が入ってトラブルの原因となることを低減するための実用的な意味もありそうです。

 

*: OfficeJet 7210と価格競争しなければならない環境、採算性から後継機の登場は難しいのかと思っていたのですが、プリンタ部とスキャナ部はMP800と同等の性能をもったMP830が登場しました。以前ならば新旧製品が店頭に並んでいたのですが、在庫管理がきびしくなったために生産終了の表示から、新製品登場の期間があくようになったのでしょうか・・