ISDN Terminal Adapter

 

ISDNについて

 ISDN (Integrated Services Digital Network) はNTTグループの推進により利用を広げていました。MN128 (NTT-ME東京)が1995年に登場し、アナログ回線で通信時間を気にしながらインターネット接続を行っていたことから、住処の地域のISDNへの対応を確認すると「アナログ回線からISDNに変えると電話番号を変更の必要がある」とNTT東日本にいわれながらも、「テレホーダイ」を利用したくて導入してしまいました。その後、電話番号変更なしにINS回線に切り替えられるようになったことから「NTTのやることは・・・」と憤慨したものでした。
 ADSLや光ファイバの利用できない地域においては、まだ、重要なインターネット常時接続環境でしょうが、ADSLの登場以降、インターネット常時接続環境としては64kbpsというISDNの通信速度は魅力のないものになってしまいました。電話局と私の住む集合住宅の距離からADSLの能力を十分引き出せないことからCATVでのインターネット接続をしばらく利用しましたが、Bフレッツ(VDSL 100M)の導入されるとすぐ、そちらを利用するようになりました。そして住処が「ひかり電話」のサービス地域となりましたが、ISDN TAの転送同時呼出機能を継続しようしたく費用はかかりますが、ISDNを 使い続けています。

アナログ回線、ISDN回線、「ひかり電話」の比較 (表1参照)

【費用面】
 
ISDNのメリットとして「アナログ回線を2本引くより安い」といわれます。しかし、基本料には1つの電話番号しか含まれていませんので、電話番号を追加する必要があり、結局、基本料だけを比べてみると大差はありません。イニシャルコストとして施設設置負担金(電話加入権。平成17年3月から現在の72,000円から36,000円に値下げ。また、これに伴い施設設置負担金のいらないライトプランでの加算額が640円から250円に値下げ)がアナログ回線2本では倍かかるところがISDNでは1本分で済むため、安いというべきと思います。なお、施設設置負担金自体は他の事業者との競争の観点から廃止の方向にあり、上記が今後ともいいえるかは「?」となります。(NTTとしては微妙な問題で自ら施設設置負担金をメリットとしては言えない立場)
 「ひかり電話」の場合、ひかり電話利用料(基本プラン)500円と機器利用料450円/月の計の950円/月(税別)がかかることになりますが、通話料金が市内・市外通話に関わらず 8.4円/3分(050IP電話は10.92〜11.34円/3分、携帯電話は17.85〜19.95円/60秒、PHSは10.5円/(36〜60秒)+10.5円/回)でかけられることから、Bフレッツを使っているのであれば基本料・通話料ともに下げることができます。なお、050IP電話のように同一VoIP基盤のIP電話間の通話無料というものはありませんので、これに該当する電話相手がいて通話時間が多いのならばプロバイダの提供するIP電話も残すことも考えられ、この場合は050IP電話用の機器利用料380円/月(税別)が更に加わることになります。

【機能】
 表1にアナログ回線、ISDN回線、ひかり電話の付加機能の比較を示します。ISDN回線が多機能なことがわかります。なお、ひかり電話はシングルチャネルタイプ からサービスが開始されましたが、現在は「ダブルチャネル」サービスが開始され ており、マイナンバー(100円)とダブルチャネル(400円)を組み合わせて利用することで2回線の電話を引いたのと同じにできます。

表1 アナログ回線とISDN回線の比較(金額は税別)

アナログ回線 ISDN回線 Bフレッツ「ひかり電話」
加入電話基本料 住宅用1級局:1,450 (1,600)
住宅用2級局:1,550 (1,600)
住宅用3級局:1,700 (1,700)
・ ( )内はプッシュ回線
INSネット64住宅用:2,680
・ 1契約で2回線分の通話可
・ i・ナンバーで番号を1つ追加の場合で300円、2つ追加の場合で400円費用がかかる。アナログ回線を2回線契約するよりも基本料金が安いといわれるが、これを考慮すると差は少ない。
ひかり電話利用料
(基本プラン):500
ひかり電話対応
機器利用料(集合住宅): 450
・ 
050IP電話も使う場合の機器利用料:380

・ マイナンバーで最大5つの電話番号に対応。
機器

ISDNを利用にはTA(Terminal Adapter)とDSU(Digital Service Unit)が必要。DSUを内蔵したTAが多い。 Bフレッツの機器(VDSL)に加え、ひかり電話対応機器。050IP電話も使う場合はさらにVoIPアダプタなど。
付加機能(有料) Lモード
ナンバーお知らせ136
空いたらお知らせ159
プッシュ回線
Lモード

空いたらお知らせ

[電話番号追加]
iナンバー

[電話番号追加]
マイナンバー

[複数チャネル]
ダブルチャネル

[迷惑電話防止]
ナンバー・ディスプレイ
ネーム・ディスプレイ
ナンバー・アナウンス
ナンバー・リクエスト
迷惑電話おことわり
二重番号サービス

[迷惑電話防止]
INSナンバー・ディスプレイ
INSネーム・ディスプレイ
INSナンバー・リクエスト
INS迷惑電話おことわり
INSなりわけサービス *
INS二重番号サービス

[迷惑電話防止]
ナンバー・ディスプレイ
ナンバー・リクエスト
迷惑電話おことわり

[多重機能]
キャッチホン
キャッチホンU
キャッチホンディスプレイ

[多重機能(フレックスホン)]
INSキャッチホン *
通信中転送 *
三者通話 *
着信転送
*

[多重機能]
キャッチホン

[転送・不在着信・伝言]
マジックボックス
ボイスワープ
ボイスワープセレクト

[転送・不在着信・伝言]
INSマジックボックス
INSボイスワープ *
INSボイスワープセレクト *
INSでんわばんサービス
メッセージ表示転送サービス
ボイスボックス

[転送・不在着信・伝言]
ボイスワープ

 

[直接着信]
INSダイヤルインサービス
INS#ダイヤル

[発着信制御]
通信中着信通知サービス
発着信専用サービス
発信専用制御サービス
任意チャネル着信サービス

[電話会議]
INSでんわ会議サービス

[FAXお知らせメール] 

[テレビ電話接続]

インターネット常時接続 ADSL、Bフレッツ(VDSL)などを利用可。フレッツADSLで月額利用料が2,600〜2,800円 ADSLの共用は不可。(Bフレッツ(VDSL)は可)
ADSLが電話局からの距離が離れていて使えなかったり、光ファイバーがサービス提供地域になっていない場合に利用できるインターネット常時接続環境はフレッツISDN(2,800円/月)のみ。なお、Windowsのアップデートなど、1MBを超えるファイルのダウンロードの必要な状況もしばしばあり、64kbpsの通信速度では厳しい状態となっている。
Bフレッツ。
【私の電話利用状況からの検討】 携帯電話やPHSの普及により、電話は世帯単位の考え方だけではなく、個人単位でも考えなければならない時代となりました。そして一般の家庭ならば加入電話1台と各自が持つ携帯電話やPHSの組合せでほぼ、満足のいく電話の環境となります。しかし、070-、080-、090-から始まる電話番号と地域局番から始まる電話番号ではかける側の意識が違うのは確かで、そのようなことから固定電話に限って考えると2回線の電話がその世帯に必要となるのは、例えば次のようなケースと思います。
  1. 仕事用とプライベートと分けたい
  2. FAX専用の番号が必要
  3. 2世帯住宅で各世帯で別の電話番号としたい(子機間で通話できる電話もあるが、個々の世帯のプライバシーの面や電話取次の煩わしさをなくしたいため)
 電話2回線を入れるというのが簡単な解決手段ですが、3.のケースではISDN TAによっては、接続された電話機間で内線電話的にも使える機能をもったものもあり、これが必要な場合は選択の理由となりましょう。また、特殊な条件ですが、INSネット64の発信者電話通知が必要な通信先を持つ場合、ISDNが不可欠となります。私がISDNを使いつづけるのはこれが主な理由ですが、その他、転送同時呼出機能のあるTAのALEX-TDC200ALEXON、2001年認証)の便利さが気に入っていることがあります。以前使っていたTAにも「転送機能」がありましたが、これはかかってきた電話を全て転送先に送ってしまうもので、設定し忘れのおそれがあり、また、ファクシミリを電話代わりにしているため、切換えての使用は使い勝手が悪く、利用にはいたりませんでした。INSボイスワープでは「無応答時呼出」の設定であればファクシミリを使うことの問題はないと思いますが、通常の通話では相手を電話口に待たせること、そして付加料金が発生することから使いませんでした。上記のTAは最初の設定だけすれば、後は固定電話と携帯電話の連携よく処理できます。この機能だけで ひかり電話による費用削減には目をつむってISDNを使い続けています。