LP-M5500(EPSON)

 


LP-M5500 (EPSON)

 紙の資料のpdf化をすすめています。A4サイズより大きいものは、A4対応のスキャナで分割スキャンし、Photoshopで貼り合せて1枚に戻してpdf化していましたが、なにしろ効率がよくありません。*1 そしてLP-9000Cが再び紙送りの不調となったのを機に、本機の導入に踏み切りました。*2
 専用ラックは事務机の横に置くことを考えて横方向を短く、そして奥行は事務机と同程度(約60cm)という設計ですが、私の使用環境では奥行の浅い方がうれしいため、基本構成(「オートシートフィーダをつけようか」と迷いましたが・・)とし、LP-9000Cで使っていたワイヤラック(奥行45cm)を流用しました。設置・組立はLP-9000Cで勝手がわかっていたので自力で行いました。そしてLP-9000Cに入っていたETカートリッジは十分な残量があったため、やはり流用してランニングコストの低減を図りました。LP-9000Cと基本的に同じプリントエンジンですので印刷品質は十分なもので、MPトレイがついたことでLP-8200と同様の用紙の交換などの使い勝手のよさを取り戻しました。スキャンtoメモリはコピーの感覚でUSBメモリにpdf化したデータを記録でき、効率的です。
 A3対応のモノクロのレーザープリンタが本機より高い価格で売られていた時代はそんなに昔ではあります。*3 なお、業務用の機器であることはその出張修理依頼で実感しました。*4

 

紙送りの不調の改善


MPトレイの奥にあるローラー


紙埃をクリーニングしたローラー

 紙の二重送りなどが時々、発生するようになり、OAクリーニングシート(両面タイプ)を使って対処していましたが、効果が落ちてきました。温湿度の影響も受けているようです。
 「EPSONの保守サービスを呼ぼうか・・」と思いましたが、出張サービスにかかる費用を考え、「まずは自分でできる範囲でメンテナンスしてみよう」となりました。
 現象はMPトレイ、用紙カセットの両方で発生し、給紙が不調となって、印刷途中の紙送りも止まってしまうものと考えられます。そうすると原因箇所はMP トレイ以降、かつ、用紙カセット以降となります。そこで本機の紙送り機構をじっくり見てみると、下の写真の紙送りローラー全体に薄っすらと紙埃が付着しているのが確認されました。紙送り機構は摩擦を応用したもので摩擦係数の低下は即、動作不調につながります。そこで布埃がでないように、かつ、薬品などがローラー表面に付着しないように洗ったハンカチを使って表面の紙埃を取り除きました。また、カメラ用のブロアを使って内部のローラー部分などについた紙埃を吹き飛ばしました。
 プリンタを起動して、試験印刷したところ、用紙カセットから給紙の最初の1枚がひっかかり、「だめか・・」と一瞬思ったのですが、「もう1回・・」と考えて印刷したところ、正常に紙送りができ、それ以降、紙送りの不調は生じなくなりました。出費の削減が図れました。

 

*1LP-9000Cの導入時、A3対応のスキャナES-7000H(EPSON、定価14.8万円)とCS-9000(EPSON、定価29万円)と組合わせたコピーシステムも考えたのですが、システム価格が高く手が出ませんでした。

*2:2005年、「アッ」と驚く価格でLP-M5500が登場し、「次は・・」と考えていました。そしてLP-9000Cが再び紙送りの不調を発生し、今度は自分で直せない症状のため、「A3対応スキャナの導入を含めて考えると修理して使いつづけるよりもLP-M5500に更新した方が合理的」と導入に踏み切りました。

*3: 本機と似た型番にLP-S5500がありますが、本機のプリンタ部にコントロールパネルはありません。また、一般のレーザプリンタでお馴染みのインタフェースもなく、その代わりにスキャナ部(コントロールパネル、外部機器との通信インターフェースを備える頭脳を兼用)と専用インタフェースで接続されています。S5500と同時開発で部品の共通化をはかる一方、スキャナ、プリンタとして単体機の使用はない複合機としての前提条件で機能の重複する部品を徹底的に見直すことで、革新的な本機が生まれたことが想像されます。また、他社のような製品競合を起こす複写機部門をもっていないことも、エプソンから本機が生まれた理由と考えられます。

*4: 導入してから7ヶ月経ち、廃トナーボックス交換のメッセージがでたことから交換しました。それから印刷面に汚れが出始めました。6ヶ月の保証期間を過ぎていますので 、まず、取説にある各所のクリーニングの操作をしました。しかし、改善されません。そこで出費の覚悟を決めて出張修理を依頼しました。そして 修理担当の人が、感光体ユニットを抜き差ししたら印刷の汚れは霧散しました。また、「感光体ユニット交換間近」の表示が出ていることを指摘されました。これは 修理依頼した時には表示されていなかったもの。センサーの検出が遅れたようです。本機はLP-9000Cの感光体ユニット、トナーを流用して使い始めました。 そして既に感光体ユニット内に廃トナーが溜まっていてこの症状がでたようです。(印刷の汚れが出る前に「感光体ユニット交換間近」のメッセージが出ていれば 出張修理を頼まずに済みましたが・・。なお、同じ感光体ユニットを使っていますが、このメッセージは現在、消えています)。なお、「同様の症状が出た場合、電源をOFFにして感光体ユニットを抜き差しすることで解決することがあるから」と か、本機のトラブル対処方法について有用なことをいくつか教えてもらいましたので、授業料と理解することにしました。
 本機の設計寿命は16万枚とのこと。長期の保守契約をするか、それともその時の新しい機種に更新していくか。企業であれば年間の予算が明確となり、費用として処理できる前者となりましょうが、個人の場合は後者の選択となりそうです。


感光体ユニットの交換の目安となった汚れ

【参考】
  感光体 排トナーボックス フィルター カートリッジ
使用前 1,658g 143g 64g 975g
使用後 約2.8kg 202g 67g 770g

・ トナーがどこに溜まるか、上の表を見るとわかります。