【普及クラスのビデオ用雲台・三脚の調査】
TH-650(Libec)
DVX1000クラスのカムコーダには最適といわれる製品で重量は3.2kg。3.8kgのカメラ用三脚を「重い」と思いながらも持ち歩いていましたので、この重量ならば許容です。この3脚の3段ダブルレッグ式の伸縮脚はパンの動作方向に高い剛性を得やすく、また、弱点となりやすい伸縮部の剛性も高くできる構造といえます。しかし、パンの操作力が軽すぎること、
ティルトした時の雲台の微動が感じられたことが気になりました。定価が25,000円(以前は38,000円)ですから望み過ぎといえばそれまでですが・・・。
VT-551、VT-523(DAIWA)
オーソン・ウェルズの映画『市民ケーン』の制作を描いた作品『プロデューサー』の中で、低い視点からの絵が欲しいため、床に穴をあけてその中に入って撮影、というエピソードがありました。このような低いポジションからの撮影が可能なものにVT-551(DAIWA
、1.96kg,、\26,800)、VT-523(2.77kg, \37,800)があります。VT-551でも三脚自体は操作に対して十分な剛性はあるようです。ただ、ティルトのブレーキ解除に操作力が必要で、雲台を揺らしてしまうのではないか、というのが気になりました。VT-523はカメラのバランスプレートの内蔵で重心調整を可能とし、また、
ティルトロックを緩めた状態でカメラがお辞儀をしないようにバネ機構(?)を内蔵するなど、真面目なつくりとなっています。また、VT-551と価格的にはそんなに差がある訳でないのに、雲台の材料も異なり、価格以上のつくりといえます。なお、パンの操作感はTH-650ほどではないですが、少し軽めで好みが分かれるところかもしれません。
700RC2+756B(Manfrotto)
ビデオキットとしてビデオ雲台700RC2、ビデオ三脚756B、キャリングバッグ190の組合せが販売(2.72kg、定価49,000円)されていま
した。756Bの台座部分はアルミ合金ダイキャスト製のようで機械加工精度も高く、脚のパイプ材料も少し厚いようで「VT-523より剛性が高いのでは?」と感じました。700RC2はVT-523に比べるとパンの操作抵抗が大きく、DVX-1000、-2000クラスの家庭用としては大型のビデオカメラを載せた時にちょうどよい抵抗感でスムーズな操作ができる感じがしました。一方、それより軽量のものでは設置面が滑りやすい場合にはパンの操作力で三脚が動いてしまわないようにバランスウェイトを三脚に下げるなどの対策が必要かなと思いました。VT-523のパンの操作力はそのようなバランスの中で作りこまれているのかもしれません。
注:
同じ機種でも操作感が異なるものがあることを、複数の店舗をまわって見て気づきました。個体差もあるかもしれませんが、店頭見本として置かれてるものの使われた方の
差もあるようです。このため、上記の記述は参考にとどめてください。 |