CoolPix 4500 (Nikon)

 

導入の経緯


CoolPix 4500 (Nikon)

 

 デジタルカメラの高画素化が進む中、210万画素のCoolPix 950では物足りなくなり、後継機をチェックしていたのですが、990、995はデザイン的に心が動かず、CoolPix 4500の登場でやっと更新となりました。1/1.8"CCDで413万画素、35mmフィルム換算38〜155mmの4倍ズームレンズ、そして高いマクロ性能はメモカメラとして十分なものです。
 デジスコ月面撮影で高高度にある月を楽な姿勢で液晶モニターを見るために950と同様のスイバル機構の4500を選んだのですが、4500のスイバル機構は950に比 べて剛性が高くなり、ロック機構も内蔵されて、コンバージョンレンズを取り付けて3脚にセットした時、950のように重量でレンズ部がお辞儀する心配 が解消されました。また、950では電源ON直後、ズームレンズが望遠端にあるため、急いで撮影したい時は画角が足りず、慌て ることがあったのですが、4500は電源ON直後で広角端にあるため、とりあえずの一枚がすぐに撮影できます。なお、4倍にしたために広角側では樽型、テレ側で糸巻き型の歪曲収差が 大きくなったようです。そして液晶モニタの屋外での視認性は改善されたのですが、寸法が950より小さくなったのはマイナスです。

【使い方】


TS-613と組合せデジスコとして使用


TS-613(KOWA)+CoolPix 4500


テレスコマイクロ 8x20Dと組合せ


35mmフィルム換算、約7倍のマクロ撮影
(黒線は定規の1mm間隔)

 CoolPix 950と同様、CoolPix 4500はφ28mmのフィルターネジが切ってあり、コンバージョンレンズなどのアクセサリーを引き継いでシステムカメラとして使用しています。
 TS-613(KOWA)と組み合わせて主に月撮影用のデジスコとして、また、テレスコマイクロ 8x20Dと組み合わせて超マクロ撮影に使っています。なお、これらの撮影時は液晶モニターでピントを確認するために、拡大レンズを内蔵した液晶モニターフード が必需品となっています。

 

アクセサリー

 CoolPix 950の資産を流用するために本機を選んだことから、下記のアクセサリーがそのまま、使え、CoolPix 950と同様にシステムカメラとして使えます。

周辺機材 コメント
フィッシュアイコンバータ

FC-E8
 0.21倍のコンバータ(レンズ構成は5枚4群)。約205g。1眼レフ用には価格から手の出ないフイッシュアイレンズの面白さをこれにより体験することができます。
 MENUのコンバータの設定の「フィッシュアイ1」でワイド端(35mm判8mm相当)に固定され、181°の視野角の円周魚眼の画像が得られます。 「フィッシュアイ2」ではレンズのケラレがない同15mmの対角線魚眼に固定されます。コンバータの設定をしなければズーム全域で使えますが、テレ側はソフトフォーカスとなることから、20mm位までが実用と思います。
ワイドコンバータ


WC-E24(左)とWC-E63(右)

WC-E24
 0.66倍のコンバータ(レンズ構成は2枚2群)。約64g。35mmカメラ換算25〜102mmとなります。CoolPix 4500のサイズから見た目はWC-E63よりこちらの方がバランスよく感じます。
WC-E63
 0.63倍のコンバータ(レンズ構成は4枚4群)。約150g。 35mmフィルム換算24〜97mmとなります。WC-E24を手持ちとしながら、「少しでもよい画像を」と入手しまいました。ワイド端での歪曲収差はWC-E24より改善されました。
テレコンバータ

TC-E2
 2倍のコンバータ(レンズ構成は4枚3群)。約150g。テレコンバータの常でワイド側はケラレ が生じます。そこでMENUのコンバータの設定の「テレコンバータx2」を設定することでケラレのない35mm判換算135mm〜310mmの範囲でズームの範囲が 制限されます。滑り止めのために、レンズの胴の先端側に薄いウレタンフォームを貼り付けています。
テレスコマイクロ 8x20D

 

望遠鏡と顕微鏡の機能を併せ持ちますが、超望遠はデジスコで対応していますので、超マクロ撮影専用です。倍率は10〜25倍、クローズアップレンズとの組合せで25〜60倍 で、対象物との距離が焦点が合うかの鍵になりますので、距離と倍率、また、クローズアップレンズの要否をまとめた一覧表が欠かせません。また、構図を決めるにはmini-F & Macro Sliderも不可欠です。そして撮影は振動を抑えるためセルフタイマーを使用 しています。(リモートコードが使える物だったら・・)
スピードライトSB-22S

「4500のサイズから余り大型のものは・・」とTTLモード撮影に対応のNikonのスピードライト の中から選びました。バウンス撮影に対応し、内蔵ワイドパネルのセット方法がなかなかギミックです。電池込の重量は約300gで、ガイドナンバー(ISO100・m)は28/35mm、内蔵のワイドパネルを使用した時は20/28mmとなります。ワイドコンバータを使用しない時は気にする必要はありませんが、それを使った時は24mm相当となり、SB-22Sのワイドパネルではカバーしきれませんのでワイド端とならないように画角に注意する必要があります。
増灯ブラケットSK-E900

SB-22Sを使う場合はこのSK-E900にCoolPix 4500と一緒に取り付けることになりますが、11cm×25cm×3cmの寸法で重さも180gあり、「携帯性には難あり」です。
「小型のブラケットを自作しよう」とアイディアスケッチは書いたのですが、未だに形になっていません。
MACRO COOL-LIGHT SL-1

白色ダイオードを光源と するもので点灯した状態で使用します。点状の映り込みができないように注意する必要がありますが、影のないマクロ撮影が簡単にできます。
リモートコード MC-EU1 デジスコでの使用を目的に入手したのですが、動作が不安定ですぐお蔵入りしました。「Nikonはこのような不完全な製品を市場に出すのか・・」とがっかりさせられたものでした。
液晶モニタフードTID-2 液晶モニタフードTID-2((株)ニコン技術工房) はデジスコとして使う際に、ピント確認に重宝しています。

 

【まとめ】

 CoolPix 4500は2004年に生産終了となり、Nikon からは28mmフィルターネジの切ったスイバル後継機の登場はありません。デジスコ天体撮影に不可欠な機材であり、撮影枚数も1万枚を越えたことから、「粗雑なメモ用カメラの扱いから解放しよう」とメモ用カメラの役割は重さが約半分で高感度撮影に対応したFinePix F11が引き継 ぎました。
 FinePix F11はアダプタUR-E3(Nikon)の改造で28mmネジが使えるようになり、(アダプタの剛性不足のため)テレスコマイクロ8×20Dを除いて、他のコンバータレンズ がF11でも使えるようになりました。周辺の色収差が目立つ場合がありますが、フィシュアイコンバータによる超広角撮影は画素数増以上に中央部の鮮鋭度が高まりました。
 そしてFinePix F31fdにアダプタUR-E20(Nikon)を装着できるように改造したことで、28mmネジのコンバージョンレンズが使えるようになったと共に、8X20Dの取り付け剛性も十分なものとなりました。これにより、超マクロ撮影はF31fdのものとなり、CoolPix 4500は退役となりました。

 

【リンク】